三國万里子の魅力と現在|妹なかしましほとの絆と名作の秘密
編み物といえば「家庭的な実用品」あるいは「昭和の手芸」という固定観念が根強かった日本のクラフト界において、三國万里子の登場は決定的なゲームチェンジでした。彼女の編み出すセーターや小物は、ヴィンテージウェアの佇まいとモードファッションの先鋭性が奇跡的なバランスで同居しています。
人々を惹きつける最大の要因は、「背景にある物語の豊かさ」にあります。北欧やアイルランドのアラン諸島、シェットランド諸島といった伝統ニットの手法に敬意を払いながらも、三國氏の手にかかると、どこか個人的で詩的な空気が吹き込まれます。単にパターンをなぞる作業ではなく、「1段編むごとに未知の風景が見えてくる」と多くの愛好者が語るように、制作プロセスそのものが極上のエンターテインメントへと昇華されているのです。
さらに、既成の毛糸では出せない質感やニュアンスを追求するため、糸の撚り(より)や染色からオリジナルで開発するストイックな姿勢も、本物を知るファンを虜にする理由となっています。