山上被告の弁護士は誰か?弁護団の経歴と長期化する裁判の全真相
SNSやネット掲示板上では、山上被告を「社会を変えた義士」のように美化する極端な言説と、「理由の如何を問わず即座に極刑に処すべき」とする単純な厳罰論が激しく対立しています。しかし、ここには法制度上の重大な誤解が存在します。
第1の盲点は、弁護団の役割に対する誤認です。ネット上では「なぜ凶悪犯を弁護するのか」「弁護士費用はどこから出ているのか」といった批判が見られますが、近代法治国家において弁護権の保障は憲法上の絶対的要請です。弁護団は犯罪行為を正当化しているのではなく、法に基づいた適正な手続きと適正な量刑を追求しているに過ぎません。
第2の盲点は、被害者数と量刑相場の関係です。日本の裁判例におけるいわゆる「永山基準」では、被害者が1名の場合、強盗殺人などの利得目的や極めて悪質な前科がない限り、死刑が選択されるハードルは極めて高いのが原則です。元首相という要人暗殺の重大性を重視する検察側と、過去の量刑判断の平仄(ひょうそく)や生い立ちの悲惨さを訴える弁護側の攻防は、これまでの判例の限界を試す歴史的な法廷闘争となります。