インフルエンザにかからない人の体質とは?一生無縁な理由と免疫の真実
ネット上で定期的に話題となる「〇型はインフルエンザにかかりにくい」という言説には、科学的な誤解と一部の事実が混在しています。
ABO式血液型そのもの(赤血球表面の抗原)とインフルエンザ発症リスクの直接的な因果関係については、大規模なメタアナリシスでも決定的な相関は立証されていません。しかし、血液型抗原を唾液や粘膜などの体液中に分泌できるかどうかを決めるFUT2遺伝子(シークレッター/ノンシークレッター)の研究では、粘膜上の糖鎖構造の違いが特定の病原体の付着性に影響を与えることが判明しています。これが曲解され、「特定の血液型はかからない」という都市伝説へ変化したと考えられます。
また、最も警戒すべき盲点は「今までかかったことがないから自分は免疫がある」という過信です。加齢による胸腺の萎縮(T細胞の産生低下)や、過労、強烈な精神的ストレスは、これまで鉄壁だった自然免疫を一気に突き崩します。「50代まで無敗だったが、仕事の激務が重なった年に突如重症化した」という症例は枚挙にいとまがありません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
医学的知見に基づき、自身の「防御耐性」をどう評価し、どのような行動を選択すべきかの客観的な判断基準を提示します。
- 日常の予防行動を主軸に据えて良い人(低リスク層): 平熱が安定して36.5℃以上あり、口呼吸の癖がなく、睡眠時間が7時間以上確保できている健康成人。ただし、流行期の基本的な衛生行動(手洗い・口腔ケア)の継続は必須条件となります。
- 体質を過信せずワクチン接種や厳重対策を優先すべき人(高リスク層): 基礎疾患(糖尿病・呼吸器疾患)を持つ人、睡眠不足や慢性疲労が続いている人、家庭内に乳幼児や高齢者がいる人。不顕性感染で済んだとしても他者への感染源(ベクター)になるリスクを認識する必要があります。