脳出血と認知症を招くアミロイドアンギオパチーの正体と予後
脳アミロイドアンギオパチーの症状は、ある日突然起こる大量出血だけではありません。発症の前段階や軽症期において、特徴的な神経症状(Amyloid Spells)が現れることが臨床現場から報告されています。
代表的な初期兆候および臨床症状は以下の通りです。
- 一過性局所神経症状(TFNE / Amyloid Spells):数分から数十分程度、手足のピリピリした異常感覚や脱力、閃輝暗点のような視覚異常、言葉の出にくさが一過性に生じ、その後消失する発作。てんかん発作や一過性脳虚血発作(TIA)と誤認されやすい。
- 皮質下出血による急性症状:出血部位に応じた激しい頭痛、嘔吐、片麻痺、失語症、意識障害。高血圧性脳出血と比べて頭蓋表層に近い部分で出血するため、局所症状が強く出やすい。
- 緩徐進行性の認知機能低下:もの忘れだけでなく、注意力の散漫、判断力の低下、感情失禁など、血管病変と変性病変が混ざり合った独特の認知症症状。
- 皮質浅在性ヘモジデリン沈着症(cSS)に伴うふらつき:微小な出血が脳表に広がることで、慢性的な歩行障害や平衡感覚の乱れが生じる。
「年だから少し動作が鈍くなった」「一時的に手が痺れたがすぐに治った」と見過ごしている間に、脳内では微小出血が積み重なっているケースが少なくありません。