中絶費用が払えない時の救済策|分割や公的支援制度を徹底解説
「費用が払えない」という悩みと表裏一体になって女性たちを追い詰めるのが、「相手と連絡が取れない」「親にバレたくない」という人間関係の断絶です。医療の現場では、制度の運用を巡って誤解が蔓延しています。
相手男性の同意書がなくても手術は受けられるのか?
母体保護法第14条には「本人及び配偶者の同意を得て」と記載されています。この条文を機械的に解釈し、「相手のサインがないと手術できません」と杓子定規に断るクリニックが存在することも事実です。 しかし、厚生労働省は通知において、以下のケースでは「本人の同意のみ」で中絶手術を行うことが可能である旨を明確に示しています。 * 相手男性が誰であるか分からない、または連絡が完全に途絶えている場合 * 相手からDVや脅迫を受けており、同意を求めることが当事者の安全を脅かす場合 * 婚姻関係にない未婚の妊娠で、相手の協力が得られない場合 もし最初に受診した病院で「相手の同意書がないと絶対に受け付けない」と拒絶された場合は、決して諦めず、別の母体保護法指定医がいるクリニックを探すか、後述する公的な相談窓口に仲介を依頼してください。
未成年の場合、親に知られずに中絶することは可能か?
高校生や大学生などの未成年者から最も多く寄せられるのが「親にバレるくらいなら受診したくない」という悲痛な声です。 法的には成人年齢が18歳に引き下げられたため、18歳以上であれば親権者の同意なしに自己の意思で契約・手術同意を行うことが可能です。ただし、病院側の安全管理指針(万が一の麻酔事故や大量出血時の緊急連絡先確保)として、20歳未満に対しては保護者の同意や同伴を求める医療機関が依然として多数派を占めています。 また、親の扶養に入っている健康保険証を提示した場合、数か月後に親の手元へ届く「医療費のお知らせ(受診通知)」に産婦人科名が記載されることで発覚するリスクがあります(自由診療の中絶手術そのものは記載されませんが、初診時の超音波検査などに保険が使われた場合は記載されます)。親との関係性が破綻しており、どうしても知られたくない場合は、初診時から「保険証を使わず、全額自費で支払う」ことを申し出るか、支援団体を同伴して受診する道を選んでください。