King Gnu「飾りじゃないのよ涙は」なぜ神カバーと呼ばれるのか?革新アレンジと評判の真相
本作が生まれた経緯は、2019年11月27日にリリースされた井上陽水のデビュー50周年記念トリビュートアルバム『井上陽水トリビュート』への参加にあります。椎名林檎、宇多田ヒカル、福山雅治、細野晴臣といった日本を代表するトップアーティストが集結する中、当時メジャーデビュー直後で破竹の勢いを見せていたKing Gnuに白羽の矢が立ちました。
制作にあたり常田大希は、名曲を単になぞるだけのカバーを良しとせず、「自分たちが演奏する必然性」を徹底的に追求。関係者の証言や当時のインタビューによると、常田は原曲の持つ歌謡曲の骨格を極限までリスペクトした上で、自身のルーツであるヒップホップのサンプリング美学やクラシック音楽の対位法的なアプローチを注ぎ込んだとされています。
巨匠・井上陽水が作り上げた完璧なメロディラインに対して、真正面から自分たちの音楽的アイデンティティをぶつけるという挑戦的なアプローチこそが、このカバーを単なる企画モノにとどまらない傑作へと押し上げた要因です。