三島由紀夫と美輪明宏の知られざる深き絆:名作黒蜥蜴の舞台裏
二人の運命が交差し始めたのは、東京・銀座にあった伝説のシャンソン喫茶「銀巴里」である。10代半ばで歌手としてのキャリアを歩み始めていた美輪の歌声と佇まいに、三島は一目で心を奪われた。圧倒的な存在感と洗練された感性は、三島が追求し続けた究極の美的理想像そのものだった。
三島は連日のように銀巴里に通い詰め、カウンター越しに若き美輪へ情熱的な言葉を贈り続けた。しかし、美輪は過度なお世辞に流されることなく、一人の表現者として対等に接した。この凛とした気品とブレない姿勢が、さらに三島の創作意欲を激しく揺さぶることとなったのである。