ボルダルールのデメリット解剖!投票選考の罠と戦略的操縦の真実
話は18世紀のフランスに遡る。この集計システムを考案したのは、軍人であり数学者でもあったジャン=シャルル・ド・ボルダだ。彼は1770年、フランス科学アカデミーの会員選出において、単記投票(1人1票の手法)が持つ「死票の多さ」や「極端な候補の当選」を回避するためにこのスコアリング方式を提示した。当時としては画期的なイノベーションだった。
しかし、同時代の思想家ニコラ・ド・コンドルセが即座に異議を唱えた。コンドルセは「一対一の直接対決で全員に勝てる候補(コンドルセ勝者)が存在するにもかかわらず、ボルダルールではその候補が負けてしまうケースがある」ことを数学的に立証したのだ。これがいわゆる「コンドルセのパラドックス」に関連する意思決定の捻れである。
学術の殿堂で繰り広げられたこの歴史的論争は、現代の組織運営にとっても決して他人事ではない。集計アルゴリズムの選び方ひとつで、歴史の勝者が容易に入れ替わってしまう現実を、彼らの対立は物語っている。