江崎グリコ事件の真相と現在|かい人21面相・キツネ目の男の正体に迫る

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昭和犯罪史の大きな転換点となった江崎グリコ事件の経緯は、1人の企業トップに対する冷酷な拉致劇から幕を開けました。1984年3月18日夜、兵庫県西宮市にある江崎グリコ・江崎勝久社長の自宅へ、拳銃と空気銃で武装した3人組の覆面男が押し入ります。入浴中だった江崎社長は全裸のまま連れ去られ、犯行グループは身代金として現金10億円と金塊100キログラムという天文学的な要求を突きつけました。

しかし事件は発生から3日後の3月21日、予想外の展開を迎えます。監禁場所となっていた大阪府摂津市の東海道新幹線高架下にある水防資材倉庫から、江崎社長自らが結束バンドを解いて脱出に成功したのです。身代金の受け渡しは阻止され、人質は無事保護されたことで事件は早期収束に向かうかに見えました。だが、これこそが日本中を揺るがす「劇場型犯罪」のプロローグに過ぎませんでした。

社長脱出直後から、江崎グリコに対する攻撃は激しさを増します。同年4月には大阪市西淀川区の本社事務所や工場への放火、5月にはグリコ製品への毒物混入予告と脅迫状の送達が相次ぎました。犯人側の目的が単なる身代金奪取から、企業イメージの失墜と市場の攪乱へとシフトしていった瞬間でした。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。