萩本欽一の妻・澄子さんの写真と生涯|浅草踊り子からの感動秘話
二人の出会いは1960年代初頭の浅草・東洋劇場(浅草フランス座)にまで遡ります。当時の二人の立場は、まさに正反対でした。
澄子さん(旧姓・加納澄子)は萩本さんより約3歳年上。劇場で絶大な人気を誇るトップの踊り子(ダンサー)であり、美貌と確かな踊りの技術で多くのファンを抱えるスターでした。経済的にも自立しており、劇場内でも一目置かれる存在だったのです。
対する萩本欽一さんは、芸の道に入ったばかりの駆け出しコメディアン。給料は微々たるもので、日々の食事にも事欠き、空腹で舞台袖に座り込むような極貧生活を送っていました。
そんな彼を見かねて声をかけたのが澄子さんでした。「欽坊、ちゃんとご飯食べてるの?」と声をかけ、自らの楽屋に呼んではトンカツや特上のお弁当を差し入れ、時にはポケットマネーを手渡して励まし続けたのです。この浅草時代の手厚い庇護と優しさに、若き日の欽ちゃんは「いつか必ず売れて、この人を幸せにする」と心に誓ったといいます。