昭和の歌姫・宮城まり子の光と影!ねむの木学園に捧げた真実の魂
1974年に公開された映画『ねむの木の詩』は、映画界にも強烈な一撃を与えた。宮城自らがメガホンを取り、学園の子どもたちの日常をありのままに記録したドキュメンタリー映画である。そこには、手足が不自由な少年が口に筆をくわえて一心不乱にキャンバスへ向かう姿や、互いに支え合って歩行訓練に励む日常が、一切の美化や過度な同情を排して収められていた。
カメラは時に痛々しいほどの葛藤を捉え、時に言葉を超えた魂の交歓を映し出す。国内外で高い評価を受け、ロカルノ国際映画祭など海外の映画祭でも反響を呼んだ。宮城は監督として、障害者を「かわいそうな庇護の対象」ではなく「類まれな表現力を持つ一人の人間」としてスクリーンに刻みつけた。演出されたドラマよりも生々しく、観る者の倫理観を根底から揺さぶるこの映像作品は、日本の記録映画史における記念碑的傑作として語り継がれている。