なぜ相撲で塩をまくのか?神事の歴史と怪我を防ぐ驚きの実用効果を解剖
歴代の力士の中でも、塩まきで社会現象を巻き起こした伝説の力士として真っ先に名が挙がるのが、元関脇の水戸泉(現・錦戸親方)です。水戸泉は塩籠から溢れんばかりの特大の塩を鷲掴みにし、天井高く豪快に放り投げるパフォーマンスで大相撲ブームを牽引しました。
水戸泉が塩を高々とまき上げると、館内からは地鳴りのような大歓声が湧き起こり、土俵上には白い雪のような塩のカーテンが広がりました。この豪快な所作は対戦相手に威圧感を与えるだけでなく、自身の緊張を吹き飛ばすルーティンでもありました。
現在、大相撲の本場所(東京・両国国技館など)で使用されている塩の銘柄は、主に「伯方の塩」が採用されています。しっとりとして適度な重みがあり、宙に美しく舞い散る粒子感と純度の高さが、神聖な土俵を清める塩として長年選ばれ続けている理由です。本場所中、1場所(15日間)で消費される塩の総量は約600kgから700kgにも達します。