チベットスナギツネの虚無顔なぜ?驚きの生態や日本展示・飼育の真相

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チベットスナギツネ(学名:Vulpes ferrilata)の代名詞とも言えるのが、感情を一切表に出さないような「虚無顔」です。一度見たら忘れられないあの四角い顔立ちと細い目には、厳しい自然を生き抜くための必然的な理由が存在します。

まず、目が極端に細く見える最大の要因は、生息地の強烈な紫外線と吹きすさぶ砂風です。チベット高原の平原は遮るものがなく、常に太陽光と強風に晒されています。目を細めることで角膜を保護しつつ、水平方向に広い視野を確保して周囲を警戒する役割を果たしています。

さらに、顔が四角く大きく見えるのは、骨格と毛並みの特殊性にあります。チベットスナギツネは顎の筋肉が非常に発達しており、獲物の骨を噛み砕くための強靭な咬合力を備えています。その頭骨を覆うように、寒冷地の冷気を遮断する分厚い毛皮と首回りの密生した飾り毛が発達しているため、正面から見るとまるで四角い箱のような独特のフォルムを作り出しているのです。

このインパクト抜群のビジュアルは、NHKとBBCが共同制作した名作自然ドキュメンタリー『プラネットアース』の放送を機に世界中へ拡散しました。日本でも「オードリーの若林正恭さんやバナナマンの設楽統さんに似ている」とバラエティ番組やSNSで話題を呼び、芸能人のそっくり比較ネタとしても定着しました。さらに「カルピス」のCMに起用されたり、「見ていると無心になれる」「邪念を払ってくれる」としてスマートフォンの待ち受け画像に設定する人が続出するなど、ポップカルチャーのアイコンとしても愛されています。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。