山口百恵『謝肉祭』歌詞深層!ラテンリズムと阿木燿子が描く情熱世界
黄金コンビとして数々のヒット作を世に送り出してきた阿木燿子(作詞)と宇崎竜童(作曲)。二人が手掛けた『謝肉祭』は、山口百恵のディスコグラフィの中でも群を抜いて異彩を放つ。リオのカーニバルを想起させる眩い狂乱と、その渦中で燃え上がる死と隣り合わせの愛。阿木燿子が選ぶ言葉は、単なる歌の詞を超えて一枚の絵画や短編映画のような重厚な世界観を構築する。
「ふたりきり カルナバル」という印象的なフレーズに象徴されるように、群衆の歓声の中で逆に浮き彫りになる主人公の濃密な孤独と愛の覚悟。宇崎竜童によるマイナーコードを基調としたドラマチックなメロディラインが、その歌詞の悲壮感と情熱を極限まで引き立てている。絶頂期にありながら引退を間近に控えていた当時の山口百恵が歌うことで、歌詞に込められた「今この瞬間にかける命の輝き」がリアリティを持って響いたのだった。