「安さの裏」で何が起きていたのか? シャトレーゼ賞味期限改ざん問題が2026年の菓子業界に遺した深い爪痕と信頼回復の現在地
事件の発端は、関係者からの情報提供と内部調査によって引きずり出された、極めて生々しい不正の手口だった。本来であれば廃棄処分されるべき菓子製品の賞味期限ラベルが剥がされ、新たな期日が印字されたラベルへと貼り替えられる。この信じがたい作業が、一部の製造現場で日常的なルーティンとして繰り返されていた。
安全基準の枠内であったとしても、消費者を欺く行為に変わりはない。発覚当初、SNS上では失望と怒号が渦巻いた。「小さな子どもに安心して食べさせていたのに」「安さの代償がこれだったのか」。子育て世代を中心に築き上げた盤石のブランドイメージは、一夜にして瓦解の危機に瀕した。一度失われた「食の安全」に対する無条件の信頼を取り戻すことがいかに困難であるかを、経営陣は身をもって知ることになる。