「寝てる時が一番幸せ」はうつ病のサイン?過眠と現実逃避の真相
「朝起きられない」「一日中横になっていたい」という状態に対し、周囲だけでなく本人すらも「自分の意志が弱いからだ」と責めてしまいがちです。しかし、近年の精神神経免疫学の研究により、これらは明確な身体的・生化学的変化によるものであることが証明されています。
一般的に、うつ病の睡眠障害といえば「眠れない(不眠)」が連想されますが、実際には睡眠時間が異常に長くなるうつ病の過眠症状も代表的な病態の一つです。うつ病発症時には、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの分泌バランスが大きく崩れます。これによって覚醒を司る神経回路が正常に機能しなくなり、いくら寝ても強烈な眠気が持続する状態に陥ります。
特に注目すべきは、若年層や女性に多く見られる「非定型うつ病」の存在です。従来の定型うつ病とは異なり、非定型うつ病の過眠の特徴としては以下の兆候が挙げられます。
- 1日10時間以上の睡眠をとっても起き上がれない過眠傾向
- 手足に鉛が詰まったように身体が重く動かなくなる「鉛様麻痺」
- 気分の反応性(嫌なことがあると極端に落ち込むが、好きなことや趣味の場では一時的に元気を取り戻す)
- 他人の言動や批判に対して異常なほど過敏に反応し、傷つきやすい(拒絶過敏性)
また、過度なストレスによる精神的疲労と睡眠障害の原因は、自律神経系にも直結しています。交感神経が極度の緊張状態を強いられ続けた結果、防衛反応として副交感神経が異常に優位に傾き、日中の激しい倦怠感や抗えない傾眠を引き起こす自律神経失調症の眠気も、過眠の主要因として見落とせません。