【2026年猛暑異変】足元に潜む猛毒の影——マムシ被害が都市近郊で急増する構造的理由と「絶対にやってはいけない」初期対応

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マムシの毒は、神経毒を中心とするウミヘビやコブラとは本質的に異なる。主成分は、筋肉組織や血管壁を物理的に溶かしていく「出血毒(タンパク質分解酵素群)」と凝固系を狂わせるブラジキニン遊離酵素だ。牙が皮膚を貫通した直後から、毛細血管は破壊され、血漿と赤血球が周囲の組織へと無制限に漏れ出す。

患部は猛烈に腫れ上がり、皮膚の下はまるでインクを垂らしたように赤紫から黒褐色へと変色していく。このとき体内で起きているのは、局所の細胞融解だけにとどまらない。破壊された筋肉細胞から大量のミオグロビンが血流に乗って腎臓へと流れ込み、細い尿細管を目詰まりさせる。これが「急性腎障害」の引き金だ。適切な処置が遅れれば、局所の皮膚切開による減圧手術はおろか、透析治療、最悪の場合は多臓器不全による死が現実味を帯びてくる。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。