なぜジョングラッコーは日本の職人を選ぶのか?「布のタイムマシン」の真相

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彼の手掛けるピースの中で、最もアイコニックな存在として語り継がれるのが「ネットメーカーズ・トラウザーズ(Netmaker's Trousers)」だ。1800年代の手縫い漁網メーカーの作業着から着想を得たそのパンツは、現代の合理的な立体裁断とは真逆のアプローチを取る。アウトシームのない一枚仕立てのパターン。身体の動きに合わせて奇妙なドレープを描くシルエットは、一度脚を通すと病みつきになる中毒性を持つ。

あるいは、米海軍の潜水兵が着用していたという極厚のウールベストや、左右非対称の変形ポケットを備えたカバーオール。どれもが現代の量産ロジックからは「無駄」として切り捨てられる要素ばかりだ。だが、その無駄の中にこそ、人間が手作業で衣服を仕立てていた時代の温もりと知恵が凝縮されている。細部の不揃いなステッチピッチに、ファンは熱烈な視線を注ぐ。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。