洗濯機の運び方をプロが解説!横積み厳禁の真相と自力運搬手順

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引越し現場でトラブルの相談が最も集中するのが、ドラム式洗濯機特有の機構である「輸送用固定ボルト」を巡る問題です。多くのユーザーが購入時に設置業者から手渡されたボルトの存在を忘れ、処分または紛失してしまっています。

ドラム式洗濯機は、高速脱水時の激しい揺れを逃すために、ドラム槽全体が外装フレームの中で宙吊り状態(フローティング構造)になっています。この可動構造は運転時には不可欠ですが、車両輸送時の激しい衝撃が加わると、内部でドラム槽が暴れ回って周囲のダンパーを破壊し、最悪の場合はドラムを回転させる主軸が偏心して再起不能の致命傷を負います。このドラム槽を外側からフレームにガチガチに固定するのがドラム式洗濯機固定ボルトの役割です。

もし固定ボルトを紛失した状態で運搬を強行した場合、新居で初運転した瞬間に「ガガガ」という異音とともにエラー表示が出て停止するケースが後を絶ちません。ボルトを紛失してしまった場合の対処法は以下の3通りに限られます。

  • メーカーのパーツセンターから取り寄せる:パナソニック、日立、東芝、シャープ等の公式サイトや家電量販店の修理窓口から、型番に適合する純正ボルトを注文します(費用:3本〜4本セットで約2,000円〜4,000円前後、納期:3日〜1週間程度)。
  • 大手引越し業者の有償レンタルを利用する:大手引越し業者の中には、主要メーカーの規格ボルトをストックしており、当日のオプション作業(1,500円〜3,000円程度)でボルトの取り付け・取り外しを行ってくれるサービスが存在します。
  • ホームセンターの汎用ボルトでの代用は絶対避ける:ネジのピッチや径が合っていても、ボルトの長さや固定スペーサーの形状が数ミリ異なるだけで、内部配線を突き破ったりドラム背面に亀裂を入れたりする大事故につながります。

輸送完了後、新居で試運転を行う前に固定ボルトを必ず取り外すことも忘れてはなりません。ボルトで固定したまま脱水運転を行うと、振動の逃げ場が失われ、洗濯機が自走して洗面所の壁を突き破るなどの深刻な物損事故が発生します。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。