「文系不要論」は本当か?Ai時代に問われる価値と年収・就職のリアル
文系不要論を後押しするデータとして頻繁に引き合いに出されるのが、文系と理系の生涯年収格差です。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)などの各種調査によると、大卒者の平均生涯賃金において、理系出身者は文系出身者を数百万円から1,000万円以上上回る傾向が一貫して示されています。
格差が生じる主な要因は、以下の2点に集約されます。
1. 製造業・IT・インフラなど高収益産業における技術職枠の存在
理系学部卒の多くは、参入障壁が高く利益率の高い業界の専門職として採用されやすく、初任給や職能給が高水準に設定される傾向があります。
2. 文系出身者の進路における二極化
理系が手堅く専門職に就くのに対し、文系は外資系金融や総合商社、戦略コンサルティングファームで年収2,000万円を超えるトップ層がいる一方で、待遇が伸び悩む一般事務職や販売職などに就く層も多く、全体の平均値を押し下げる構造になっています。
つまり、「文系だから一律に稼げない」のではなく、「専門性を持たない文系職種の給与水準が低迷している」というのが年収格差の真実です。