【追跡】「湖上の絶景」を襲った罠…2026年夏、被害が相次ぐVip席偽装と巧妙化するサイバー犯罪の闇
「子どもたちに最高の思い出を作ってあげたかったんです。まさか、案内されたはずのエリア自体が存在しないなんて……」
東京都内から家族4人で訪れた40代の男性は、声を詰まらせる。彼が購入したのは、湖畔の特設VIPエリアでワンドリンクがつき、家族でゆったり観賞できるとされる「プレミアムペア&ファミリーシート」。価格は4万円。公式サイトと見間違うほど精巧なデザインのWebページでクレジットカード決済を行い、発行された電子QRコードを握りしめて現地へ向かった。
だが、現地スタッフから返ってきたのは困惑の表情だった。「この区画は今年の配置図にはありません」。男のスマートフォンに表示されていたのは、実行委員会とはまったく無関係の海外サーバーへ接続する偽チケットの画面だったのだ。周囲を見渡せば、同じようにスマホを握りしめ、係員と押し問答を繰り広げる家族連れやカップルが何組もいた。夜空に打ち上がる大輪の光の下、湖畔には悲痛な怒号とすすり泣きが交錯していた。