サカナクション『グッドバイ』歌詞の真相|山口一郎が別れた「世界」

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両A面シングルとして同時期に世に放たれた『ユリイカ』と本作『グッドバイ』は、光と影、動と静、都市と内省という見事な対比構造を成しています。以下の比較表は、両楽曲の音楽的アプローチと、その後のアルバム収録に至る軌跡を整理したものです。

項目グッドバイユリイカ(両A面曲)編集部の見解・評価楽曲のテンポ・構成BPM約85/ミディアム・バラード(ローズピアノと合唱)BPM約118/四つ打ちダンストラック(80sシンセポップ)静と動の極端なコントラストによって表現の振れ幅を提示主題・モチーフ自意識の内省、商業主義からの離脱、原点回帰東京の街と孤独、都市に生きる人々の情念と虚無「東京」という舞台に対する表裏一体のアプローチアルバム収録の位置付け2019年『834.194』DISC 1(東京サイド)4曲目に配置2019年『834.194』DISC 1(東京サイド)6曲目に配置札幌(故郷)と東京(戦場)の距離を描くコンセプトの要石アコースティック展開『懐かしい月は新しい月』(2015)に新録リアレンジ版収録同作に「ユリイカ(minimal demo)」として収録装飾を削ぎ落としても成立するメロディの強度が証明された

本作は後に、2019年に発表された大作アルバム『834.194』に収録されます。アルバムタイトルの「834.194」とは、山口一郎が過ごした札幌のスタジオから東京のスタジオまでの直線距離(キロメートル)を示しています。この東京サイド(DISC 1)の中盤に『グッドバイ』が配置されたこと自体、彼が東京という過酷な現場で戦い続け、一度は精神的にドロップアウトしかけながらも生き延びた歴史の証左と言えるでしょう。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。