みずのみさのガラスアート:伝統のムリーニ技法と光が紡ぐ色彩美の真相
2009年、みずのみさは岐阜県多治見市に自身の工房「グラススタジオkiki」を開設した。多治見もまた瀬戸と並び、美濃焼の伝統を誇る陶工たちの街である。クラフトに対する理解とリスペクトが深いこの地を拠点に選んだことは、彼女の作家としての独立とアイデンティティの確立を象徴している。
ガラスの吹き作業は、灼熱の窯と対峙する激しい肉体労働だ。1,000度を超える溶解炉の前で、竿を回しながら重力と遠心力をコントロールする。その一方で、ムリーニを組む作業はピンセットを用いて微細なパーツを並べる極めて静的な集中力を要する。
「動」と「静」という対極のプロセスを経て作られる「グラススタジオkiki」の器たち。工房の名である「kiki」には、器が使う人の日常に心地よい響きや喜び(喜喜)をもたらしてほしいという願いが込められている。