瀬戸内寂聴と井上光晴の禁断愛|出家理由と妻・娘が明かした真相
二人の関係が始まったのは1966年のことでした。当時、すでに流行作家として頭角を現していた瀬戸内晴美と、先鋭的な社会派純文学で文壇の注目を集めていた井上光晴は、ある文芸関係の集まりを通じて急接近します。
当時の井上光晴の文学と経歴は特異な光彩を放っていました。1950年に『書かれざる一章』で脚光を浴びて以来、過酷な炭鉱地帯や被爆地長崎などを題材に、人間の深淵を描き出す孤高の作家として知られていたのです。しかしその私生活は極めて無頼であり、自らの生い立ちや経歴に数々の虚構を織り交ぜながら、多くの女性を惹きつける魔性のカリスマ性を備えていました。
一方の瀬戸内晴美もまた、夫と幼い娘を捨てて情熱の赴くままに生きてきた過去を持ち、恋多き女性作家として世間の毀誉褒言を浴びていました。互いに激しい情念と文学的野心を持つ二人が惹かれ合うのに、時間はかかりませんでした。妻子ある井上光晴と瀬戸内晴美の情事は瞬く間に燃え上がり、抜き差しならない不倫関係へと突入していったのです。