ウスターソースと中濃ソースの違いは?Jas規格・地域文化と代用比率

ウスターソースと中濃ソースの違いは?Jas規格・地域文化と代用比率について徹底解説いたします。専門家の見解をお届けします。

スーパーの調味料売り場に並ぶ茶系ソース類は、農林水産省が定めるJAS(日本農林規格)の「ウスターソース類」という大枠に属しています。法律上、これらは20℃における粘度(液体のとろみ具合)を基準として、はっきりと3分類に定義されています。

最もサラサラとした「ウスターソース」は粘度が0.2Pa・s未満。中間のとろみを持つ「中濃ソース」は0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満。そして、いわゆる「とんかつソース」や「お好み焼きソース」が該当する「濃厚ソース」は2.0Pa・s以上と規定されています。

ソースの種別JAS規格粘度基準(20℃)野菜果実含有量・味わいの特徴主な用途・適した調理ウスターソース0.2Pa・s未満
(極めて低粘度・サラサラ)辛味と酸味がシャープ。野菜果実の抽出エキスに香辛料と食酢を効かせたスパイシーな風味。炒め物(焼きそば・チャーハン)、煮込み料理やカレーの隠し味、串カツ。中濃ソース0.2Pa・s以上
2.0Pa・s未満
(適度なとろみ)ウスターの辛味・酸味と濃厚ソースの甘み・とろみを兼ね備えたバランス設計。コロッケ、アジフライ、メンチカツ、目玉焼き、家庭料理の万能がけ用。濃厚ソース
(とんかつ等)
2.0Pa・s以上
(強いとろみと吸着力)トマトやりんごなどのピューレを大量に使用。果実の自然な甘みとフルーティーなコクが前面に出る。とんかつ、お好み焼き、たこ焼きなど、衣や生地にソースをしっかり絡めたい料理。

中濃ソース原材料比較を行うと、ウスターソースに比べてトマトやりんご、プルーンなどの野菜果実含有量が多く配合されていることが分かります。ウスターソースが「素材の旨味をエキスとして抽出し、スパイスと酸味を際立たせた熟成調味料」であるのに対し、中濃ソースや濃厚ソースは「すりおろした繊維質ごと煮込み、フルーティーな甘みととろみを与えた調味料」という構造的な違いがあるのです。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。