幻のチョコ「霧の浮舟」なぜ消えた?販売終了の理由と再販の現在地
霧の浮舟の歴史は、日本の高度経済成長期からバブル前夜へと向かう1980年に幕を開けました。当時としては極めて斬新だった「空気を抱き込ませたチョコレート(エアレーションチョコ)」というコンセプトは、従来の重厚で硬い板チョコのイメージを根底から覆すものでした。
商品名は、平安文学の傑作『源氏物語』宇治十帖に登場する「浮舟」と、霧の中に浮かび上がる幻想的な情景から名付けられました。深緑を基調にした上品な和モダンパッケージと、一口噛んだ瞬間にシュワッとほどける贅沢な食感は、瞬く間に大人の女性や感度の高い層を中心に支持を拡大しました。
2005年に一度最初の終売を迎えたものの、熱烈なファンの嘆願により2009年と2013年に期間限定での復刻が実現。特に2013年のリバイバル企画では、往年のファンが一気に買い占める現象が起きるなど、その存在感の大きさを改めて証明しました。しかし、恒常的な生産ラインの再開には至らず、今日に至る「伝説のチョコレート」としての地位を確立することになります。