都会を捨て山に生きる東出昌大、圧倒的な怪演で掴み取る完全復活
山小屋での暮らしは、世間が想像するような優雅なスローライフとは程遠い。電気や水道すらままならない環境下で、薪を割り、獣の足跡を追い、仕留めた獲物を自らの手で解体する。その過酷な日常にカメラが密着したドキュメンタリー映画『WILL』は、映画ファンの間で大きな波紋を広げた。
作品に映るのは、飾らない剥き出しの人間性だ。自らの過ちや後悔、生きることへの執着を、誤魔化すことなく言葉にする。自然界の冷徹な掟のなかに身を投じたことで、虚飾を削ぎ落とした独自の存在感が生まれた。山での孤独な営みは、逃避ではなく、彼にとっての再生の儀式だったのだ。