気象予報士・多田さやかの専門性と足跡|雪国を支える報道と防災の最前線
気象予報士としての肩書に加え、多田さやかは「防災士」の資格も保持している。気象学の観点から大気を分析するだけでなく、社会工学や地域防災の観点から「人間側がどう備えるべきか」を提示できる点が彼女の強みである。
近年増加している線状降水帯による豪雨や、地球温暖化に伴う異常気象の常態化に対し、防災士の視点は欠かせない。危険が迫った際、自治体が発令する避難情報(警戒レベル)と、気象庁が発する警戒警報を照らし合わせ、住民がいつ・どこへ逃げるべきかの判断材料を提供する。
「正常性バイアス」を破る呼びかけ
災害報道において最大のハードルとなるのが、人間が持ちやすい「自分だけは大丈夫」という正常性バイアス(心理的偏向)である。多田はこの心理的隔壁を打ち破るため、過去の類似事例や具体的リスクを引き合いに出す手法をとった。
「過去にこのレベルの雨が降った際、周辺河川が数十箇所で溢れました」「暗くなってからの避難は足元が見えず危険です。明るいうちに安全な場所へ」といった具体的行動への誘導は、多くの命を災害から守る防波堤となってきた。