巨匠の息吹と森の静寂!大分市美術館が仕掛ける美の新潮流を追う
この美術館の根幹を成すのは、大分が生んだ二人の巨星、福田平八郎と高山辰雄の圧倒的なコレクションだ。近代日本画に革新をもたらした福田の大胆なトリミングと鮮烈な色彩感覚は、いま見ても驚くほどモダンでみずみずしい。雨粒の波紋や竹の子の肌理に宿る造形美。そこには、自然の断片を抽象美へと昇華させた鬼気迫る観察眼がある。
一方の高山が描く世界は、深遠な精神性に満ちている。群青や朱が幾重にも塗り重ねられた画面の前に立つと、人間の実存や宇宙的な広がりへと意識が引き込まれる。美術誌『美術手帖』をはじめとする専門メディアでも、二人の画業とその影響関係はたびたび議論の的となってきた。収蔵庫の奥深くに眠る習作や書簡からは、中央画壇に身を置きながらも故郷・豊後の風土を生涯愛し続けた制作の舞台裏が浮かび上がってくる。