六兆年と一夜物語の歌詞を徹底考察!忌み子と「知らない」に秘めた涙の真相
ネット上の掲示板やSNSでは長年、「二人は追手に捕まって殺された」「世界を道連れにして心中した救いのないバッドエンドだ」という悲観的な解釈が散見されてきました。しかし、kemu氏率いるクリエイター集団「kemu VOXX」が展開した公式メディアミックス、とりわけ角川スニーカー文庫より刊行された公式ノベライズ『六兆年と一夜物語』を精読すると、この物語は「究極の愛による世界の再構築(ハッピーエンド)」を描いていることが明白になります。
ノベライズ版で明かされた驚愕の真相として、少女マキの正体は「神の器」であり、世界を巻き戻す力を持つ超常的存在(マキナ)に関わるキーパーソンでした。リクが集落の人々から受けていた「忌み子」としての迫害も、彼が世界の理を書き換える危険な潜在能力を秘めていたがゆえの封殺だったのです。追手に囲まれ絶望したマキを救うため、リクは集落だけでなく、自分たちを拒絶し苦しめ続けた「残酷な世界そのもの」を消し去る選択を下します。
タイトルにある「六兆年」とは、宇宙の開闢から終焉を思わせる途方もない時間、あるいは少年が孤独と苦痛の中で永遠に感じていた闇の年数を意味します。そして「一夜」とは、マキと手を取り合い、すべてを壊して二人きりの夜明けを迎えた奇跡の時間を指しています。歌詞のラストで歌われる「知らない 知らない 声が聞こえてさ」「新しい朝が来るよ」というフレーズは、自分たちを縛り付けていた過去の記憶や憎悪をすべて過去の彼方へと葬り去り、誰も邪魔者のいない世界で二人が新たな生を歩み始めた瞬間を祝福しているのです。