戦後81年目の再考:『はだしのゲン』朴さんが今の日本社会に突きつける「差別の根絶」と「人間愛」の真実
作者の中沢啓治氏が実体験をもとに描き出した『はだしのゲン』は、軍国主義下の日本社会に存在した深刻な民族差別の実態を包み隠さず告発している。朴さんが受けた理不尽な侮辱や暴力を描写したシーンは、当時の歴史的現実そのものであった。
戦争の惨禍を描くだけでなく、自国が他者に対して加害的構造を持っていた側面にまで深く踏み込んだ点は、本作が世界中で語り継がれる最大の要因だ。朴さんの存在は、日本国内における戦時下の歴史認識を深めるうえで決して外すことのできない要石となっている。