火垂るの墓ポスターにB29の影?明るさ調整で判明した戦慄の真相
『火垂るの墓』のメインビジュアルとして広く知られる、笑顔の節子と清太が夜空を舞う蛍の光に包まれているポスター。一見すると兄妹の束の間の穏やかな時間を切り取った温かい場面に見えます。しかし、この画像データの明るさ(明度・ガンマ値)を大きく引き上げると、上空の闇の中に巨大な飛行機のシルエットがくっきりと浮かび上がります。
その正体こそ、当時日本本土を焦土と化させた米軍の超大型爆撃機「B29(ボーイングB-29スーパーフォートレス)」です。空に散りばめられた光の粒をよく観察すると、下に向かって尾を引く直線的な火花と、ふわりと丸く発光する蛍の光が描き分けられていることが分かります。
つまり、兄妹が浴びていたのは幻想的な蛍の光であると同時に、上空のB29から降り注ぐ焼夷弾の火の粉でもあったのです。原作者の野坂昭如氏が意図し、高畑監督が映像美の中に忍ばせた「火垂る(火が垂れる=焼夷弾)」という言葉の真の意味が、ポスター1枚のグラフィックの中に恐ろしいほどの緻密さで表現されています。