セゾン創業者・堤清二の思想と狂気、今再び注目される理由とは
堤清二の最大の功績は、商業空間に「思想」を持ち込んだ点に尽きる。その経緯解説において外せないのが、1970年代から80年代にかけて仕掛けた一連のブランディング戦略だ。
「わけあって、安い。」という伝説的なコピーとともに誕生した無印良品は、過剰なブランド信仰への強烈なアンチテーゼだった。田中一光や小池一子らトップクリエイターの知性を結集し、消費社会そのものを批評するような商品を世に送り出した。パルコでは若者文化を丸ごと抱え込み、演劇、映画、現代アートの拠点をデパートの中に強引に作り上げた。「感性経営」と呼ぶのは容易いが、実際には緻密な言語化と反骨精神に裏打ちされた冷徹なマーケティングの産物だった。