根室の赤いダイヤが揺らす2026年の食卓――なぜ今、花咲ガニの争奪戦が激化しているのか
午前5時半、花咲港の市場。水揚げされたカニが木箱に敷き詰められ、濡れた床に整然と並ぶ。買い付けを行う仲買人の手元にある手板には、予想を上回る高値が次々と走り書きされていく。2026年の初競りは、前年比で約15%高い水準でスタートを切った。
価格を押し上げている要因は単なるインフレではない。海外市場からの引き合いの強さに加え、ロシア産甲殻類の流通制限が長期化している影響が大きい。日本国内で流通する純国産の極上ガニに対するプレミアム価値が、かつてないほど跳ね上がっているのだ。根室の老舗仲買人は「本物の味を知る客は、いくら出しても納得して買っていく。数が足りないのが一番の悩みだ」と煙草をくゆらせながら呟いた。