初代連合会長・山岸章の真相|非自民連立政権を生んだ黒幕の全貌

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山岸章氏は1929年(昭和4年)7月18日、大阪府大阪市に生まれました。少年期は青森県弘前市などで過ごし、戦時下の厳しい時代に大阪逓信講習所(のちの電電公社・郵政系研修機関の系譜)を卒業。1945年、終戦直後に逓信省(後の日本電信電話公社=電電公社)に入所したことが、労働運動家としての原点となります。

電信電話事業の現場から労働運動に身を投じた山岸氏は、鋭い情勢判断力と抜群の弁舌で頭角を現し、全電通(全国電気通信労働組合)の書記長を経て、1982年に中央執行委員長に就任しました。当時の労働界は、イデオロギー闘争を掲げる左派主導の「総評」と、労使協調・生産性向上を掲げる「同盟」に分断されていましたが、山岸氏は極めて現実的な戦略をとるプラグマティストとして頭角を現します。

最大の試練となったのが、1980年代前半の中曽根康弘内閣による行革・三公社民営化でした。強硬な民営化反対を叫んで自滅した国労(国鉄労働組合)に対し、山岸氏率いる全電通は「雇用と組織の維持」「電電公社の通信主権の確保」を実質的に勝ち取る条件闘争を展開。1985年のNTT発足・民営化を軟着陸させ、労組としての組織力を強固に保ったまま新時代へ移行させた手腕は、労働界の内外に「全電通の山岸恐るべし」と強烈に印象づけました。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。