大阪・網島で起きている静かな革命。国宝の曜変天目と焼きたて団子が日常に溶け込む「開かれた蔵」の真髄
美術館のエントランスロビーに併設された「あみじま茶屋」の存在は、この施設の哲学を最も端的に物語る。ここでは、注文を受けてから焼き上げる熱々の団子と、目の前で点てられる本格的な抹茶や煎茶のセットが、驚くほど手頃なワンコイン価格で提供されている。
ベビーカーを押す若い親、散歩の途中に立ち寄った地元のお年寄り、ノートパソコンを開くビジネスパーソン。チケットを買って展示室に入らずとも、誰もがこの開放的な空間で一服の茶を味わうことができる。美術品を崇める前に、まずはお茶を飲んで寛ぐ。かつて茶人たちが日常の延長線上で茶道具を愛でたように、生活と文化の距離を極限まで縮める試みがここにある。