静かな生活を望んだ猟奇殺人犯の正体 現代のネット社会が「吉良 吉 影 川尻 浩作」の恐怖を再評価する理由
彼の異常性を決定づけるのが、女性の手に対する異常な執着だ。切り取った手を「彼女」と呼び、デートを重ねる。そして、自らの体調を示すバロメーターとして爪を伸ばし、小瓶に保管する。このディテールの細かさが、キャラクターに圧倒的な生命力を与えている。
荒木飛呂彦氏の卓越した描写力は、こうしたフェティシズムを単なる猟奇趣味にとどめず、一人の生々しい人間としてのリアリティに昇華させた。だからこそ、私たちは彼を単なる記号としての悪役として片付けることができない。