三浦春馬のキンキーブーツはなぜ伝説か?ローラ役の熱狂と映像化の真相
三浦春馬さんが『キンキーブーツ』と出会ったのは、2013年のことでした。ニューヨークのブロードウェイで本場の舞台を観劇した彼は、ローラの放つ圧倒的なエネルギーと人間味に心を射抜かれ、「いつか日本で上演されるなら、絶対に自分がローラを演じたい」と熱烈に希望したと伝えられています。
有言実行となった2016年の日本初演に向け、三浦さんが敢行したドラァグクイーンの役作りは、常軌を逸したストイックさでした。単に女性の装いをするのではなく、ドラァグクイーンとしての誇り、優雅さ、そして内面に抱える脆さを肉体そのもので表現するため、渡米して専属のボイストレーナーのもとで過酷なレッスンを重ねました。シンディ・ローパーが手掛けた高音域かつソウルフルな楽曲を歌いこなすため、三浦春馬の歌唱力は飛躍的な進化を遂げ、ソウルフルで芯のあるハイトーンボイスを獲得したのです。
さらに注目を集めたのが、12cm以上のハイヒールを履きこなすための徹底的な肉体改造でした。自宅でもヒールを履いて生活し、体幹を極限まで鍛え上げることで、舞台上を縦横無尽に踊り狂う強靭なフィジカルを作り上げました。華やかなドレスをまとい、スポットライトを浴びて歌い踊るローラの姿は、観客だけでなく劇評家をも唸らせ、演劇界の勢力図を大きく塗り替えることとなりました。