人間は食物連鎖の頂点ではない?ブタと同等とされる衝撃の科学的根拠
トロフィックレベルが2.21の中位生物であるにもかかわらず、なぜ人間は地球環境全体を大きく揺るがす力を持っているのでしょうか。ここに、自然界の法則を根底から変えてしまった人類の特異性があります。
カナダのビクトリア大学などの研究チームは、人間を通常の捕食者と区別して「超捕食者(スーパー・プレデター)」と定義しました。野生の頂点捕食者は、生態系のバランスを保つ範囲でしか獲物を狩りません。捕食者が獲物を狩り尽くせば、自らも飢餓によって個体数を減らすというフィードバック機能が働くためです。
しかし人間は、冷蔵技術、遠洋漁業船、大規模な養殖や農業システムを開発したことで、自然界のフィードバックループから完全に脱却してしまいました。その結果、成魚の魚類を自然の捕食者の最大14倍のスピードで獲り尽くし、陸上では大型肉食動物を自然の死亡率の約9倍のペースで排除しています。栄養段階としてはカタクチイワシと同じ中位にありながら、地球上の全生態系に与える破壊力はどの頂点捕食者よりも圧倒的に大きいという「不均衡」こそが、現代の生物多様性が直面している危機の根源です。