マスオさんの「えぇー!」実は言ってない?叫びの真相と声優の変遷
マスオさんの声といえば、長年親しまれた2代目の増岡弘さんの印象を強く持っている方が多いでしょう。1978年から2019年までの約41年間、マスオさん役を務め上げた増岡さんの演技は、優しさと包容力に満ちていました。時折、サザエの突飛な行動にたじろぐ際に見せる「あたたかみのある動揺」こそが増岡節の真骨頂であり、モノマネ芸人たちが誇張のベースにしたのもこの時代のニュアンスでした。
2019年8月、増岡さんの高齢による勇退に伴い、3代目として田中秀幸さんへバトンが渡されました。『名探偵コナン』の工藤優作や『ONE PIECE』のドフラミンゴなどで知られる実力派ですが、交代当初は視聴者から「声がイケボすぎる」「落ち着き払っていてマスオさんの情けなさが薄れた」といった違和感を訴える声も上がりました。
しかし、田中さんのアプローチは極めて正統派でした。誇張されたパブリックイメージに寄せることなく、原作が持つ「実直で知的な好青年」の輪郭を丁寧になぞり直したのです。驚く場面でも決して安易な裏返り声に逃げず、生活感のある驚きを表現し続けたことで、交代から年月を経た現在では「頼れる父親であり、サザエの良き理解者」として完全に茶の間に馴染んでいます。