ワールドトリガー空閑遊真の寿命と現在|死亡フラグの真相と父の想い
遊真が抱える最大の爆弾、それは彼が普段動かしている肉体が生身ではなく「恒常的なトリオン体」であるという衝撃的な事実です。カルワリアでの激戦において、敵の攻撃を受け瀕死の重傷を負った遊真を救うため、父・有吾は自らの命をトリオンに変換して黒トリガー(ブラックトリガー)を作成しました。その際、致命傷を負った遊真の生身の身体は黒トリガーの内部深くに封印され、時間経過による肉体崩壊を極限まで遅らせる処置が施されました。
現在活動している遊真の身体は、黒トリガーのトリオンによって生成された仮初めの器に過ぎません。睡眠を一切必要とせず、食事もエネルギー補給というよりは味覚を楽しむための行為として処理されるなど、一般的な人間とは根本的に異なるバイオリズムで動いています。かつて黒髪だった遊真の頭髪が白く色素を失った現象も、肉体が受けた極度のダメージとトリオン置換の影響によるものです。
公式ファンブック『BORDER BRIEFING FILE(BBF)』や作中の断片的な言及から算出されるタイムリミットは極めてシビアです。仮初めのトリオン体で生活を維持しているとはいえ、封印された生身の肉体は完全に時間が停止しているわけではなく、数年単位で徐々に生命活動を終えつつあります。三雲修たちと出会った当初、遊真が自らの命に無頓着であり、ボーダーに父の知人を訪ねた後にただ死を迎えようとしていた背景には、この「覆せない余命宣告」への諦観が横たわっていました。