なぜ中毒者が急増?「コンギョ」歌詞カタカナと怪作の深層を追う
発端は2010年代初頭、国営の朝鮮中央放送で放映されたステージ映像だった。過剰なまでにドラマチックなエレクトロニックサウンドと、軍服を身に纏った女性歌手たちの凛々しい歌声。そのクリップがニコニコ動画に転載されるや否や、コメント欄は瞬く間にスラングと熱狂で埋め尽くされた。
「空耳」を起点とするインターネット・ミームの波に乗ったこの曲は、YouTubeやショート動画プラットフォームへと戦場を移す。BPM140前後で打ち鳴らされるアグレッシブなハイハット、唸りを上げるシンセベース、そしてサビで爆発する「コンギョ(攻撃)!」の連呼。リスナーは政治的文脈を脱ぎ捨て、純粋なアドレナリン発生装置としてこの音を摂取し始めた。冷戦構造の残滓が生み出した遺物が、現代のデジタルネイティブにとっては最先端のハイパーポップのように受容されたのだ。