【2026年現地ルポ】泥流を防いだ「地蔵 寺川」の伝説――気候危機時代に若者が再発見する古の知恵と絆
一方で、急激な注目がもたらす副作用も表面化している。SNSでの話題化に伴い、休日には狭い農道に路上駐車が相次ぎ、静かな集落の生活環境が脅かされる事例が増加した。石仏の基壇に乗り込んで撮影を行うといったマナー違反も報告されており、地元住民の間には困惑の広がりも見られる。
これに対し、保存会では事前予約制のガイドツアーの導入や、観光マナーを促す看板の設置など、持続可能な観光への舵切りを進めている。「単なる観光地ではなく、ここは今も人々が手を合わせる祈りの場。訪れる人にもその歴史的重みを理解してほしい」。地元住民の葛藤は、観光振興と地域資源の保護という、現代の地方都市が抱える共通の課題を浮き彫りにしている。