オウム解散から30年余、上祐史浩が語り続ける「洗脳と脱カルト」の現在地――2026年、私たちが向かい合うべき陰影
ここ数年、YouTubeや各種ポッドキャスト、サブカルチャー系のトークイベントに彼が登壇する機会が増加している。SNSのタイムラインでは、彼を「昭和・平成の歴史の生き証人」として消費する空気すら漂う。当時の苛烈な報道を知らないZ世代やα世代にとって、彼の卓越したプレゼンテーション能力は、一種の知的なパフォーマンスとして映る場合があるのだ。
ネット上のコメント欄を見渡せば、「ロジックが明快で面白かった」「洗脳の怖さがよくわかった」といった好意的な受け止めも少なくない。しかし、こうした消費され方に対して、犯罪被害者遺族や専門家からは強い懸念の声が上がっている。エンタメ化された語りによって、事件の惨劇や犠牲者の存在が背景へと押しやられてしまう危険性があるからだ。