宗教法人はなぜ非課税?ずるいと批判される税金優遇の真相と課税境界線
「宗教法人は税金を一切払っていない」というのは完全な誤解です。宗教法人であっても、法人税法で定められた「34種類の収益事業」を営んでいる場合は、一般企業と同様に法人税・住民税・事業税の納税義務が発生します。
収益事業の具体例としては、不動産貸付業(賃貸ビルや月極駐車場)、物品販売業(お土産品や書籍の販売)、宿泊業(一般観光客向けの宿坊)、飲食業、結婚式場や斎場の運営などが挙げられます。
判断が分かれやすい境界線として代表的なのが「物販」です。
- 非課税:お守り、お札、絵馬、おみくじなど、宗教的意義が強く原材料費に対して社会通念上妥当な範囲の授与品
- 課税:絵葉書、キーホルダー、一般的な観光ガイドブック、文房具など、市販品と同等の物品を定価で販売する行為
なお、宗教法人が収益事業から得た所得に対しては、一般企業(通常税率23.2%)よりも有利な軽減税率(19%)が適用されます。さらに、収益事業から得た利益を宗教活動本体へ繰り入れる場合、一定割合(年間所得の20%または200万円のいずれか多い額まで)を損金算入できる「みなし寄付金」の特例制度も存在し、税負担が大きく抑えられる構造になっています。