平井堅のデビュー曲と下積み秘話!名作ドラマ主題歌から国民的歌手へ
暗闇の中にいた平井堅の運命を劇的に変えたのが、2000年1月にリリースされた8枚目のシングル『楽園』でした。このシングルは、関係者からも「これが売れなければ後がない」と通告されていた実質的なラストチャンスの楽曲でした。
平井堅はこの背水の陣において、自作の楽曲ではなく、外部の作家陣(作詞:阿閉真琴、作曲:中野雅仁)による本格的なR&Bバラードを歌い上げるという大胆な勝負に出ます。研ぎ澄まされたファルセット、情感あふれるフェイク、そして圧倒的な表現力が、時代の波と完全に一致しました。
折しも1999年から2000年にかけては、MISIAや宇多田ヒカルの台頭によって日本に本格的なR&B旋風が吹き荒れていた時期です。しかし、男性ソロシンガーで本格的なR&Bを歌いこなせる存在は極めて稀でした。『楽園』はノンタイアップからのスタートだったにもかかわらず、FMラジオ局を中心にリクエストが殺到。江角マキコが出演したインパクト抜群のミュージックビデオの話題性も手伝い、瞬く間にオリコン上位へと駆け上がり、累計50万枚を超える大ヒットを記録しました。デビューから5年、平井堅の卓越したボーカルがついに世間に正当に評価された瞬間でした。