漆黒の夜を焦がす伝統の篝火!長良川鵜飼の穴場と最新観覧ガイド
長良川の鵜飼を語る上で欠かせないのが、職人たちの格別の地位だ。岐阜市の長良川で舟を操る鵜匠たちは、単なる伝統芸能の演者ではない。正式名称を「宮内庁式部職鵜匠」と呼び、明治時代から現在に至るまで宮内庁に所属する職務を担っている。代々父子相伝で受け継がれてきたその技は、まさに日本の歴史そのものだ。
漆黒の闇の中、川面を照らすのは船首に掲げられた篝火のみ。鵜匠は12本もの手縄(たなわ)を瞬時にさばきながら、鵜たちの挙動を繊細に感じ取る。鵜が鮎を飲み込んだ瞬間の手応えを見逃さず、巧みに手縄を引き寄せる様は圧巻の一言だ。この格式高い技術と歴史的価値が評価され、長良川の鵜飼用具一式などは国の重要無形民俗文化財に指定されている。皇室への御料鮎(ごりょうあゆ)を納める「御料鵜飼」も毎年行われており、幾重もの伝統の糸が現代へと紡がれている。