『リリイ・シュシュのすべて』解剖!エーテルの正体と衝撃の伏線
ヒロインの津田詩織役を演じた蒼井優の映画デビュー作としても、本作は極めて重要な価値を持っている。風鈴の音とともにタワーから飛び降りるような儚さと、過酷な現実に洗脳されながらも失われない透明感。当時から異彩を放っていた彼女の演技力は、観客の記憶に消えない傷痕を残した。
そして忘れてはならないのが、作品の血肉となっている音楽だ。音楽プロデューサーの小林武史が手掛けたサウンドトラックと、当時弱冠18歳でリリイの歌声を担ったSalyuの圧倒的な歌唱力。ドビュッシーのピアノ曲とSalyuのアヴァンギャルドで神秘的なボーカルが重なり合う時、映画は単なる映像体験を超えて一種の宗教的体験へと昇華する。