大政奉還の舞台・二条城の隠された新事実と非公開エリア独占取材
1867年、二条城の大広間で表明された大政奉還。歴史が大きく転換したその瞬間の裏で、実際にはどのような駆け引きが繰り広げられていたのか。今回、特別に取材許可を得て足を踏み入れたのは、将軍の私的空間であった黒書院のさらに奥に位置する帳台構(ちょうだいがまえ)の裏手である。
薄暗い空間に立ち尽くすと、狩野派の手による障壁画の金箔が、わずかな自然光を捉えて鈍く光る。近年の修復作業と文献調査によって、慶喜が重臣たちと極秘の協議を重ねていた痕跡がより鮮明になってきた。単なる政権返上ではなく、徳川家が将来の実権を維持するための周到なシナリオが、この密室で幾重にも練り上げられていたのだ。張り詰めた空気の残滓が、今も梁の隙間に漂っているかのようだった。