旋律が胸を打つ巨匠・千住明の神髄/劇伴の裏側と最新プロジェクト
千住の真骨頂は、映像作品の文脈を深く汲み取り、人間の内面描写を補強する音楽プロデュース力にある。空前のヒットを記録した映画『黄泉がえり』では、切なくも美しい旋律で観客の涙を誘い、映画音楽としての記録的な成功を収めた。
また、NHK大河ドラマ『風林火山』では、戦国時代の凄惨さと武将たちの誇りを静と動のコントラストで見事に表現。伝統的な和楽器の響きと洋楽オーケストラの融合を図り、歴史ドラマの重厚感を格段に引き上げた。単に背景として流れる音ではなく、登場人物の呼吸や心理状態と同調するその音楽プロデュースの手腕は、まさに日本を代表する映像音楽の至宝といえる。